噺家の稽古は、かなり人それぞれです。
家でぶつぶつやる人、おもてを歩きながらぶつぶつやる人、録音を聞きながらぶつぶつやる人、台本を読みながらぶつぶつやる人…………
想像するとだいぶあやしいです。
前からこんな人が歩いてきたら道を譲ってしまいますね。
道譲りの関係
なんつってね!
ちなみに私は自転車に乗りながらが多いです。
高座と同じように声を出せる環境というのは限られています。
自宅でも夜中ははばかられますし、外を歩きながら大声出したら職質は避けられません。
実際調子よく自転車で大声を出していたらお巡りさん二人に
「歌ですか?」
と背後から声をかけられてことがあります。
ものすごくはずかしい。
河川敷でやる、なんてことも画策しますが、大概先客がいます。
楽器の練習とか、段ボールおじさんとか、ブルーシートおじさんとか、カップルとか、男女の二人づれとか、アベックとか、
二人連れは人を制す
なんつってね!!
とにかく意外と川沿いは人がいます。
いろいろ言ってますけども、歩きながら、というのは古式ゆかしい稽古法でもあります。
かの志ん生師匠は電車賃にも事欠く若手のころ、徒歩で帰宅しながら稽古をしたと聞きます。
のちに名人と呼ばれた方も若い頃は苦労をしておられる…。
今度おもてでぶつぶつ言いながら歩いている若者をみたら噺家の稽古だと思って勘弁してやってください。
すれ違う方は災難ですけどね。
はなし禍
なんつってね!!!